第119回 西日本地区例会のお知らせ

119回日本メディア英語学会西日本地区例会として「西日本地区 3研究分科会 合同シンポジウム」を下記要領で行います。西日本地区を中心に活動しているビジネス英語文化研究分科会、メディア英語談話分析研究分科会、メディア英語教授法・教材研究分科会の3研究分科会が一同に会して行うシンポジウムです。各研究分科会で取り組まれている研究を知っていただく貴重な機会となります。多数の方のご参加をお待ちします。

 

【日時】201538日(日)13時から17時まで(午後1230分より受付開始)

【場所】大阪府立大学I-site なんば2階S1

     〒556−0012 大阪市浪速区敷津東2丁目141号南海なんば第1ビル                                   tel: 06−7656−0441(代表)
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地下鉄御堂筋線・四つ橋線「大国町駅(1番出口)」下車、東へ約450m、徒歩約7
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地下鉄堺筋線「恵美須町駅(1-B出口)」下車、西へ約450m、徒歩約7
くわしくは、下記WEBサイトをごらんください。
http://www.osakafu-u.ac.jp/isitenanba/map/index.html

【問い合わせ先】仲西恭子(西日本地区長)(e-mail : kyoko-i[a]kansaigaidai.ac.jp

 

【内容】3研究分科会 合同シンポジウム

第一部(13時~15時):3研究分科会の発表(各40分)
(1)ビジネス英語文化研究分科会
① 「日英語の発想差とコード・スイッチング(*1)」
武藤輝昭会員(関西外国語大学)
②「英語教育におけるコード・スイッチングの活用(*2)」
吉村耕治会員 (関西外国語大学短期大学部)

(2)メディア英語談話分析研究分科会
                「五輪サッカー報道にみられるジェンダーとナショナリズム−2012年ロンドン五       輪の新聞記事分析(*3)」
 冨成絢子会員(茨城キリスト教大学)

(3)メディア英語教授法・教材研究分科会
「グローバル人材育成を実現する教材の開発 -MDGの英文を使用したテキスト作成に向けてのタスク案-(*4)」
村上裕美(関西外国語大学短期大学部)
蔦田和美(京都産業大学)
山岡華菜子(姫路独協大学)

 第二部 (1520分~17時):3研究分科会メンバーによる合同討論

【テーマ】「メディア英語教育・研究のこれから」

【参加者】
吉村耕治会員(ビジネス英語文化研究分科会)
高木佐知子会員(メディア英語談話分析研究分科会)
村上裕美会員(メディア英語教授法・教材研究分科会)
司会者:金井啓子会員(社会連携委員長・分科会(全国分科会会議)担当・広報        委員長補佐)

 

【第一部 発表内容】
1 コード・スイッチングとは、一人の話者によって少なくとも二つのコード(言語または方言)を交互に切り替えながら話す行為であり、多言語社会においてしばしば見られるものである。日本語と英語では発想や構造が非常に異なっているが、両者がコード・スイッチングにおいて切り替えられる際、どのような現象が起こり得るかを考察したい。

 2 日本でもグローバル化が進行し、多言語・多文化社会の様相を呈しつつある。バイリンガルを目指したイマージョン教育の応用も進行している。英語学習上、「難しい表現を使わない」「多少の間違いも気にしない」「楽しく会話をつなげる」などの指摘がある。これらの諸問題の解決に導くために、英語教育におけるコード・スイッチングの活用を考察したい。

3 男女ともに代表チームが参加した2012年のロンドン五輪のサッカーの報道において、ナショナリズムがどのように描かれていたかをCDA(批判的談話分析)の理論に基づきジェンダーの視点から分析した。五輪期間中に掲載された新聞記事を男女別に集めデータとし、言語表現の分析と比較を行い、どのようなナショナリズムのディスコースが構築されているかを考察した。言語分析の対象としたのは国やチームを表す表現、戦争に由来するメタファー表現などである。分析の結果、同じ競技であっても男女の記事でやや異なるナショナリズムのディスコースが構築されており、サッカー報道におけるジェンダーとナショナリズムの結びつきが浮かび上がった。

4 本研究は、グローバル人材育成を支援する目的で国際社会が定めたMillennium Development Goals (MDG)を題材にした教材作成の一端を紹介する。村上は本文への橋渡しになる知識を問う導入のためのタスク案、蔦田は文法力を育成する本文を活用したTOEIC形式問題、山岡は本文に基づく学習者の興味に即した英作文のタスク案を紹介する。この研究は学習者のみならず教員の指導力向上も狙いとしている。