2018年07月02日
中部地区第71回研究例会のご案内(7月29日)
更新日:2018年07月02日
中部地区では、下記の通り第71回研究例会を開催します。皆様のご参加をお待ちしています。
【日時】
2018年7月29日(日)14:00-17:00
【会場】
愛知淑徳大学星ヶ丘キャンパス1号館3階 13A教室
*地下鉄東山線「星ヶ丘駅」(3番出口)から東山通りを北に徒歩5分程度
【参加費】
会員・非会員ともに無料
【内容】
第1部 研究発表(14:00-15:00)
加藤久佳会員(愛知工業大学)「英文学とその翻訳/翻案における地球言語としての英語」
第2部 招待講演(15:15-16:45)
五十畑浩平先生(名城大学)「日本とフランスの若者とキャリア」
【発表要旨】
「英文学とその翻訳/翻案における地球言語としての英語」
加藤久佳会員(愛知工業大学)
本発表では、ノーベル賞受賞(2017)作家 カズオ・オシグロの作品とその翻訳/翻案を比較対照する。イシグロは日系イギリス人であり、当初、自身の日本的要素を前面に出していたが、 The Remains of The Day (1989)*1以降、英語圏を舞台とするとともに、翻訳されやすい英語を心がけるようになる。以来、プロモーション活動を行うにつれ、英語中心的な世界観を強化する。Never Let Me Go (2005)*2では、その傾向が顕著である。近年、「イギリス文学から英語文学へ」*3という主張や、「グローバルな文化」がむしろ翻訳可能な単一文化へと向かっているという見解*4、また、「地球言語はどのような危険を持つか」*5という疑問が呈されている。この点に関し、イシグロはどの程度、意識的であるのかを検証する。
*1 邦訳(2001)、映画化 (1993)
*2 邦訳(2006)、映画化(2010)、舞台化(2014)、TVドラマ化(2016)
*3 日本英文学会第73 回大会報告 2017
*4 Apter, Emily “On Translation in a Global Market.” in Public Culture, vol. 13, no. 1. 2001
*5 Cristal, David Language as a Global language. 2006
「日本とフランスの若者とキャリア」
五十畑浩平先生(名城大学)
今春卒業した大学生の就職率は98.0%と、1997年の調査開始以来の過去最高を3年連続で更新した。このように日本では「売り手市場」が続く一方で、EUの中心的な国のひとつであるフランスでは、若年失業率が22.6%と高止まりしており、若者の雇用情勢は日本と対照的に厳しい。また、日本において当たり前とされている「新卒一括採用」をはじめとした就職活動は、世界的に見れば極めて特異な慣行である。こうした日本の特異性を明らかにするためにも、フランスを比較対象として、両国の若年者の雇用情勢や彼らのキャリア形成の方法などについて分析していきたい。また、フランスの職業教育にも焦点を当て、フランス的な特徴を日本のそれと比較していきたい。
【講師紹介】
五十畑 浩平(いそはた・こうへい)
1978年東京生まれ。2006年大阪外国語大学(現・大阪大学)卒。2011年中央大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。中央大学経済学部任期制助教、香川大学特命助教、徳山大学経済学部准教授を経て、2016年より名城大学経営学部准教授。現在は、フランスにおける職業教育とそのキャリア開発効果に関する実証研究を中心に行う。著書に『フランス―経済・社会・文化の実相』(共著・中央大学出版)、『フランス―経済・社会・文化の諸相』(共著・中央大学出版)がある。
*なお、例会終了後、懇親会(会費4,000円程度)を企画しております。
予約の都合上、参加をご希望の方は、事前に石原(下記連絡先)までご連絡をいただけますと助かります。
【問い合わせ先】
石原知英(鹿児島大学)(email: tishiha@edu.kagoshima-u.ac.jp)